ファイアーエムブレムエンゲージ-感想戦③
①、②で色々触れてきましたが、そろそろネタバレ込々で書きたいなと思いまして…。
キャラクターが3Dになったことについて、書きました。
◆過去の記事
ファイアーエムブレムエンゲージ-感想戦① - くうそうとたからばこ
ファイアーエムブレムエンゲージ-感想戦② - くうそうとたからばこ
例の如く、ネタバレばっかですよ。
◆3Dになったキャラクター
過去に少し触れましたが、今作はキャラクター3Dがめちゃくちゃ綺麗。3Dムービーと作中表示される3Dモデルでほとんど差が無いです。イメージとしては、『覚醒』や『if』のムービーがそのまま作中で動くような感じ。
3Dモデルって作りこまないと喜怒哀楽の表現が単調になりがちですが、今作のデザインは特に”目”を作りこんでいた印象です。
もちろん、今作よりも作りこんだ作品は世の中にあるとは思いますが、すごく感動しました。
やや余談ですが、「この人は仲間にならないだろうな」というのがキャラクターモデルの作りこみから何となく察せてしまったのは悲しい。
◆すべてが3Dキャラへ!
今作のキャラクターはそもそもすべて3Dで表現しようとして、ここまで作りこんだモデルが作成されていたようです。
これまでの作品ではバストアップが表示されていた戦闘中の絵や、会話における2D絵等は無くなっています。スクリーンショットにするとすごくわかり辛いですが、毎回表示されるときに動いてポーズしてくれるのがいいんですよねえ!
『if』で実装されていたLive2Dも良かったですが、3Dになって動きの幅が広がったため、イキイキ動いています。
会話時の表示も3Dのまま。キャラクターがより一層近く感じられた気がします。
レベルアップ時の比較をしてみると結構違うものでした。
2Dがアップに出てくるのは、表情がわかりやすく、それはそれで大好きです。
繰り返しになりますが、3Dになったことで”ほぼ常に動いている”ということを実現できたため、実際にはこういったシーンでも少し動いています。動くのが当たり前で、止まった絵というのに少し物足りなさを覚えるようになったのは事実です。
こういった場面での表情は確かに2Dの方がわかりやすい!へたれてごめんな、ユーリス…。
前作『風花雪月』では3Dキャラと2D絵が両方表示されていることが多々ありました。
3Dグラフィックのクオリティが!という話はしませんが、2D絵との表情のギャップもあって、よくよく見ると違和感があったりします。
普通にしていれば、ボイスを聴きつつ文字を追っているので、実は3Dキャラをあんまり見ておらず、違和感を覚えることは少なかったです。
もっとローポリの3Dだと結構感じたりしますがね。
今作では3Dキャラに統一されたので、こういった矛盾がなくなったのは良いポイントですね。
◆キャラクターモーション
3Dキャラがめちゃくちゃ綺麗になり、戦闘モーションもとんでもなく強化されました。
それと同時に、イベントシーンでもバンバン動きます。特に序盤の軽いノリが続くシーンでは、(無駄に)キャラクターを動かしていました。これまでのFEには無かった、というかできなかった表現なので、とっても気に入っています。
プリレンダムービーが多くなったのも、3Dになった影響ですね。
ユニークなモーションが増えた一方で、モーション自体がやや”舞台的”だなとも感じました。それだから悪いということは全くないのですが、舞台って背景などの情報が少ないので、動きをオーバーにして背景を想起させる狙いがあったりしますが、ゲームでは背景もしっかりありますので、それが連発されると鼻につきます。
また、『風花雪月』でも結構気になっていたことですが、今作でも汎用的なモーションが結構気になりました。
やるはやるんですが、そのびしっと腕の角度が決まらないし、王族もその辺の人も等しくやるのでちょっと多いかなぁ。
アルフレッドでいえば、彼がすこしオーバーな言い方で相手に意見を通すときにのけ反るポーズ。声の演技と合わさって結構好きなのですが、、、
ふとした時にクランも同じポーズをすることがあります。当てはめるならこのモーション、というのはわかるのですが、アルフレッドがこのモーションをとるときは”わざとらしさ”が前面に出ていたので、本心を話すクランには合っていないと思いました。
ユナカの印象的なポーズ、通称やっぴー!!も。
とはいえ、これは他のゲームや3D作品でもよくあることです。膨大にいるキャラクターが多種多様な表現をするときに、特有のモーションをすべて用意することは難しいです。何より、今作で強化された戦闘モーションなんてジョブ毎の設定であった、キャラクターによってそこまで差は大きく無いですからね。
◆3D表現による制作の限界
ストーリーはソルム前後で雰囲気を大きく変えてきますが、演出面でも物語後半では主要キャラクター以外が画面内に入ることが極端に減ります。
みんなで一緒にいるはずなのですが、それぞれにポーズや表情を設定していくのが大変だという裏事情もわかるのですが、それでも数人しかいないような状態が多い。
結果どうなるかというと、主人公+紋章士+主要王族+敵がメインを張るばかりで、それ以外のキャラクターがほっとんどストーリーに絡まなくなりました。
キャラクターが多いのはわかるんですが、後半にかけて2Dでやっていたような表現が増えてきたのは本当に惜しい。ここめちゃくちゃ盛り上がるし、もっとアップにして正面から映してあげるだけでもダメだったのかなぁ。
尚且つ、たまによくわからない表情を浮かべているように見えることもあって、そこは残念でした。
また、3Dでの表現を中心に据えているものの、3Dで描き切れなかったものや、描くのが難しいものについては2D絵を差し込む手法が使われていました。
ムービーについては絵の雰囲気が結構似ているのですが、一枚絵は線が細く、ちょっと違う印象を受けるので、やっぱり違和感がありました。
……なんていうか、ノベルゲーのスチルっていえばいいですかね。
数少ないシーンにそこまでコストを掛けられないというのはわかる!めちゃくちゃわかるさ!けど、ほぼ3Dで動いているからこそちょっと変な気がしてしまう。惜しい。惜しい…
……と、色々書いてしまいましたが、より表現が繊細になると、細かいところで違和感を覚えてしまうものなのですよね。全体としては満足だけど、もうちょっとだけ欲しかったというのが感想です。作る側としては”もうちょっとだけ”がとっても大変なのは想像に難くないですけども。
◆まとめ
3Dになったことで表現の幅はぐっと広がりました。今回あげている不満点についても、2Dが得意としていた部分を3Dに落とし込めなかったり、そもそも2Dでは描いてすらいなかった部分だったりしますので、全体のクオリティが低いとかいうことはありません。
戦闘モーションについてはあまりうまく表現できないのですが、とっても躍動感が出ていて、2D時代を含めて過去イチと言っていいくらいの出来です。
躍動感がここまでアップするとは…。いくら見ても飽きないです。
3Dになったことでエフェクトマシマシな表現がめちゃくちゃ映えるようになりましたが、今回のキャラクターデザイン、世界観だからこそ、これだけ煌びやかにしてもキャラが負けていないんですよね。
色々思うところがあるかもしれませんが、『エンゲージ』の世界だからこそ表現できている絵なので、もっともっと見ていこうぜ!